冬の赤福ぜんざい、夏の赤福氷、毎月朔日餅を食べる赤福マニアとは?
三重ガイドの大石ゆうです。
なんでもマニアというのがありますよね。
鉄道マニア、廃墟マニア、ガンダムマニア・・・。
かなり酔狂な世界に没頭する彼らの姿に思わず一歩引いてしまうこともあるでしょう。
しかし、世の中には「○○を食べてきたよ」「○○を買ってきたんだ」「お土産は○○だよ」と聞いて、羨ましく思ったり嬉しく思う頻度が高いお菓子が三重県には存在しております。
それは「赤福」です。老人会では毎年伊勢参りの企画がありますが、我が家にお土産として届くのはいつも「赤福」です。老若男女の「赤福マニア」が存在しております。
赤福餅の誕生は、いまからおよそ300年前の宝永四年(1707年)。
赤福餅は、お餅の上にこし餡(あん)をのせた餅菓子です。形は伊勢神宮神域を流れる五十鈴川のせせらぎをかたどり、餡につけた三筋の形は清流、白いお餅は川底の小石を表しています。名は「赤心慶福(せきしんけいふく)」の言葉から二文字いただき、「赤福」と名付けたと言い伝えられております。
今年の夏に私はあるトラブルに見舞われました。特急に乗っていたら桑名駅から動かなくなりました。爆発物が近鉄の線路付近に仕掛けられたということで、警察の爆発処理班が出動したのです。その結果、21時過ぎに名古屋駅を出て、自宅に帰り着いたのは翌朝3時過ぎになりました。
う~ん、あれはしんどかった(疲れた)。
そのときに隣に座った若い男性は伊勢から名古屋の予備校に通っている人でした。隣に座ったことで、あれこれ世間話をしておりまして、そのときに伊勢の御餅の話題になりました。
伊勢には太閤出世餅、へんば餅、二軒茶屋餅、くうや餅などいろんな御餅があります。その中で普段の暮らしの中で「高校生」が良く食べるのが赤福だということがわかりました。
その大きな理由は「三個パックが売っているから」でした。他のお土産は一箱6個入り以上で、一人で食べるには多すぎるし、値段もそれなりにします。一方赤福三個入りパックは税込290円。珈琲一杯よりも安い値段です。高校生でも気軽に買えるおやつとして、赤福は存在していたんですよ。ご存じでした?
私は三個入りパックの存在は知っていましたが、高校生がオヤツに買っているとは知りませんでした。伊勢では日常で食べる食材だったんですね。
さて、駅の売店やドライブインで買える伊勢のお土産として有名な赤福ですが、三重県民にとっては季節の赤福を味わうのも楽しみの一つです。伊勢まで行かなければ食べられないということで、夏であれば「赤福氷を食べたよ」、初詣に行けば「赤福ぜんざいを食べてきたよ」とつい自慢したくなるのも赤福ならではです。
毎月一日だけ販売する朔日餅をいただいた時は、感動です。今月同僚から「はい、お土産だよ」と雪餅を手渡された時は、丸っこい同僚の顔が天使に見えました。地元の企業では早朝から赤福本店に並ぶという話も聞いていますからね。
もっとも同僚は百貨店の赤福売場で予約注文して買ってくれたようです。それにしても嬉しいお土産でした。また届かないかなあと心ひそかに期待しております。